症例

神経血管圧迫症候群(三叉神経痛、 顔面痙攣)

神経血管圧迫症候群とは?

脳の神経に血管が接触、圧迫して脳神経の症状を出しているものを「神経血管圧迫症候群」と言います。中でも顔面の感覚を司る「三叉神経」や顔面の運動を司る「顔面神経」を圧迫して症状を出すものがよくみられます。

 

① 三叉神経痛

三叉神経痛とは?

ある日、激烈な顔面痛のため、ご飯も食べられない、水も飲めない、会話も苦痛、そんな症状が起こることがあります。三叉神経痛と呼ばれるこの病気は様々な原因がありますが、神経に血管が接触して疼痛を引き起こしている場合、「典型的三叉神経痛」と呼ばれます。

 

三叉神経痛の治療方法は?

通常、はじめは内服薬(お薬)がよく効きます。しかし、徐々に効果が薄れていき、5~16年ほど経つと2割程度の患者さんしか効果が得られません。内服の量が徐々に増えて、眠気やふらつきなどの副作用に悩まされるようになります。

患者さんの背景(年齢など)や病態、薬の効き方や副作用など様々な因子を吟味して適切な管理を行います。手術により完治する可能性が高い患者さんには、高齢でも積極的に手術をお勧めしています。

 

三叉神経痛の手術方法は?

接触している血管と神経を離す手術を行います。三叉神経に安全に到達するため、耳の後ろから神経に到達します。手術は全身麻酔で行います。耳の後ろの皮膚を約5~6cm切り、2.5cmほど頭蓋骨に穴を開けます。小脳をゆっくり牽引して接触している神経と血管を同定し、血管を神経から離して固定します。

 

 

 

 

この手術のあと、この患者さんは長年の三叉神経痛から解放され、お薬も不要になりました。

顔面に電気が走るような痛みがある方は、いつでもご相談ください。また、長年 三叉神経痛でお悩みの方もいつでもご相談ください。

 

② 片側顔面けいれん

片側顔面けいれんとは?

脳の血管が顔面神経と接触して神経を刺激し、顔が無意識にぴくぴく動く病気です。この病気を「片側顔面けいれん」と言います。顔面のピクツキは、特に緊張した際によく出てきます。顔面のピクツキが気になって、人と会うのを避けるようになる人もいます。

 

片側顔面けいれんの治療方法は?

頭部MRI検査で神経と血管の接触を確認し、まずは内服(お薬)で治療を開始します。お薬で十分な効果が得られない場合は、「ボトックス」というボツリヌス毒素を注射も行います。ただこの治療は一時的に毒素で筋肉を麻痺させる治療で、根本的な治療法でなく、効果が切れれば(約3ヶ月程)、症状は再発します。また長年の毒素の注入で麻痺が治らなくなることもあります。

当院ではお薬で十分な効果が得られなければ手術をお勧めしています。

 

片側顔面けいれんの手術方法は?

接触している血管と神経を離す手術を行います。顔面神経に安全に到達するため、耳の後ろから神経に到達します。手術は全身麻酔で行います。

耳の後ろの皮膚を約5~6cm切り、2.5cmほど頭蓋骨に穴を開けます。小脳をゆっくり牽引して接触している神経と血管を同定し、血管を神経から離して固定します。

 

 

 

この手術のあと、この患者さんは長年の顔面痙攣から解放され、お薬も不要になりました。ご家族からも感謝のお手紙を頂きました。

顔面に電気が走るような痛みがある方は、いつでもご相談ください。また、長年 顔面のピクツキでお悩みの方もいつでもご相談ください。

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